代謝・内分泌内科このページを印刷する - 代謝・内分泌内科

 当科では糖尿病肥満症内分泌疾患の診療を行っております 。

特色・専門領域

〇糖尿病について

 糖尿病には大きくわけて、1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病は自己免疫の異常により、膵臓にあるインスリンを作る細胞(β細胞)が、壊れてしまう疾患です。幼少期に発症する方から、高齢者になってから発症する方まで、発症年齢は様々で、日本人の1型糖尿病の方は約12万人(糖尿病患者数の約2.6%)です*1。治療は、インスリンを体外から補うことであり、生涯インスリン投与が必要になります。
 2型糖尿病は、遺伝、肥満、生活習慣など様々な要因が関与して発症する糖尿病で、糖尿病患者数の約95%を占めています。日本人の2型糖尿病の方は約552万人*1で、成人全体の12.9%(約8-10人に1人)は糖尿病が強く疑われる者であり、年齢と共にその割合は高くなっています*2。治療法は、食事運動療法が最も重要ですが、内服薬や注射薬を使用した薬物療法も併用しながら治療を行います。
 糖尿病は合併症を予防することが重要な疾患です。意識障害を起こしているなど、緊急での治療を必要とする急性合併症と、高血糖が長期間続くことで起こる慢性合併症があります。慢性合併症のうち、体の細い血管(細小血管)におこる合併症には、神経障害(手足のしびれなど)、網膜症(視力視野障害・失明)、腎症(蛋白尿)があります。体の太い血管(大血管)におこる合併症には、脳卒中、心筋梗塞、足病変(壊疽など)、感染症、認知症などがあります。これらの合併症の発症や進行を予防するため、適切な治療を行い、良好な血糖値を維持していくことが非常に大切です。
スタッフ全員が外来診療に当たり、再診は予約体制として、個々の患者様に合った診療ができるように努力しております。主に糖尿病を中心にした代謝疾患に加え肥満外来も開設しています。さらに甲状腺疾患をはじめとする内分泌疾患も担当しています。

外来診療

 当院では、1型糖尿病、2型糖尿病どちらも診療しております。地域医療支援病院として、近隣のクリニックよりご紹介いただいた、血糖マネジメントに難渋している方、合併症を多く有する方を中心に診療させていただいております。医師による診察の他に、看護師による療養指導や、管理栄養士による栄養指導を受けることができます。それぞれの方の生活背景に沿った治療法をご提案できるように、スタッフ一丸となって診療しております。
 また、治療にインスリン注射が必要な方には、ご家庭で血糖測定を行っていただきます。当院で取り扱っている血糖測定の機器に関しては、指先から採血し血糖値を測る自己血糖測定器の他に、センサー装着により持続的に血糖値を測定する持続血糖測定(CGM: continuous glucose monitoring)の機器も取り扱っております。インスリンポンプについては、センサー連動型インスリンポンプと、パッチ式インスリンポンプを取り扱っております。


CGM

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センサー連動型インスリンポンプ

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パッチ式インスリンポンプ

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入院診療

 糖尿病の教育入院を行っております。約2週間の入院中に、毎日血糖値を測定し、適した治療薬を提案させていただき、医師・看護師・薬剤師・栄養士などの様々なスタッフによる指導を行います。病棟では講義形式の「糖尿病教室」も開催しております。また、病棟にエアロバイクがあるため、運動療法を行うこともできます。教育入院のメリットは、糖尿病の知識をつけていただけること、必要なエネルギー量の食事に慣れていただくこと、必要に応じて日々薬剤調整を行うことができるため、短期間で効率よく最適な治療法を確立できること、血糖値の測定やインスリン注射などの手技の練習ができることなどです。

○肥満症について

 日本人の肥満の定義は、身長と体重から計算するBMIが25以上の状態です。
 BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
  例)身長165cm、体重70kgの場合:BMI = 70 ÷ 1.65 ÷ 1.65 = 25.7
    身長170cm、体重80kgの場合:BMI = 80 ÷ 1.7 ÷ 1.7 = 27.7
    身長180cm、体重90kgの場合:BMI = 90 ÷ 1.8 ÷ 1.8 = 27.8
 肥満と肥満症は異なります。日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」では、肥満症は、肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする状態と定義されています。健康障害には、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症、冠動脈疾患、変形性関節症、肥満関連腎臓病などがあります。大腸癌、食道癌、子宮体癌、胆石症などの疾患も肥満症に関与するとされています。このような健康障害により、生活の質が損なわれることを防ぐために、肥満症は治療が必要です。治療法は、食事運動療法の他に、薬物療法、外科療法(胃を切除する手術)の選択肢があります。
 当院では肥満症の薬物療法を保険診療で行うことができます。医師による診察と管理栄養士による栄養指導を受け、食事運動療法を半年間行っていただいた後に、薬剤(週1回投与の注射製剤)による治療を開始することができます。薬物療法は、BMI 35 kg/m2以上で高血圧症または脂質異常症または2型糖尿病に対し内服治療が必要な状態、または、BMI 27 kg/m2以上で高血圧症または脂質異常症または2型糖尿病に対し内服治療が必要かつ他の健康障害を有する、といった適応基準がありますので、受診された際にご相談いただければと思います。肥満症は、遺伝的要因や社会的要因などさまざまな要因が原因となります。ご自身の責任のみではないということを知っていただき、前向きに治療に取り組んでいただくサポートをしたいと考えております。

○内分泌疾患について

 内分泌とは体の特定の臓器からホルモンが血液中に分泌されることです。ホルモンは、生命機能を維持するために重要な情報伝達物質で、血圧、代謝、体温などの調整に影響しています。ホルモンのバランスが崩れ、過剰になったり低下したりすると様々な症状が現れます。
 最も頻度の高い内分泌疾患は甲状腺疾患です。特に橋本病という甲状腺ホルモンが低下する自己免疫疾患は、成人女性の10人に1人、成人男性の40人に1人とも言われており、めずらしい疾患ではありません。症状としては、疲れやすさ、寒がり、体重増加、脱毛、声のかすれなどが挙げられます。また、高血圧症の中には内分泌疾患が原因となっていることもあります。放置すると動脈硬化が進行し、脳卒中や虚血性心疾患を発症するリスクが高まることがあります。治療を行っても改善に乏しい高血圧がある場合は一度詳しい検査を受けることをおすすめします。
 当院では、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、バセドウ病、橋本病、副腎疾患などの内分泌疾患に対応しております。一部の内分泌疾患やホルモン負荷試験については当院で対応できない場合もございますので、事前にお問い合わせいただけますと幸いです。

参考文献
*1:厚生労働省「令和5年患者調査」
*2:厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査」

スタッフ

氏名 経歴・資格・専門
成宮 学

なりみや  まなぶ
名誉院長

【資格】
 日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医・評議員
 糖尿病教育資源共有機構理事
 病態栄養学会評議員
 日本医師会認定産業医
 認定NSTコーディネーター
 日本内分泌学会代議員
 日本内科学会認定内科医・指導医

范 揚文

はん  あきふみ
(責任者)
代謝・内分泌内科部長

【資格】
 日本内科学会認定内科医
 日本糖尿病学会糖尿病専門医
 日本糖尿病学会研修指導医

菅沼 由佳

すがぬま 
医師

【資格】
 日本糖尿病学会専門医
 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医

塩原 望実

しおはら  のぞ
医師

【資格】

藤﨑 牧子

ふじさき  まき
医師

【資格】