産婦人科このページを印刷する - 産婦人科

 産婦人科は5名の常勤医師と4名の非常勤医師で診療を行っています。
 大学卒業後13年目からの医師が所属しており、経験を積んでおりますが初心を忘れないように日々努めています。

当院で分娩を希望される妊婦全員に胎児超音波スクリーニングを行っております

 妊婦健診の際には主治医が胎児の発育状態や健康状態をチェックしていますが、胎児超音波スクリーニング外来では主として胎児に先天的な形態異常がないか、時間をかけてより詳細に調べます。出生前に胎児の異常を知ることにより、出生直後に必要な治療を行なう体制を整えることが可能となります。毎週土曜日に完全予約制で開設しておりますので、ご家族の方もぜひ一緒にご来院ください(産科病棟で行うため12才以下のお子様は同席できません)。なお、検査費用については分娩費用に含まれておりますので、当院で分娩される方は追加費用はかかりません。また、胎児スクリーニング検査を行いやすい至適週数がありますので、妊婦健診の際に妊婦週数を確認した上でご予約いただきます。

双胎妊娠の受け入れについて

 当院産科では双胎妊娠も受け入れいます。ただし、合併症や安全性の観点から二絨毛膜二羊膜性双胎および一絨毛膜二羊膜性双胎のみ(一絨毛膜一羊膜性双胎は対応できません)に限らせていただいております。また、双胎の分娩に関しては母児の安全性を重視し、原則的に帝王切開分娩を選択しておりますのでご了解ください。なお、出産時期が多数重なる場合等、状況により他院を紹介させていただくこともありますので、当院をご検討の妊婦様はなるべく早めにご相談ください。

NICU(3床)+GCU(6床)について

 2024年4月より新生児集中治療管理室(NICU)を3床に加えて、新生児回復室(GCU)を開設しております。早産で生まれた新生児はNICUやGCUにおいて、新生児科医師を中心とした専門のスタッフがお世話をします。これまでも妊娠高血圧症候群、子宮内胎児発育不全、双胎妊娠、妊娠糖尿病、血液型不適合妊娠、内科疾患合併妊娠など様々なNICUを要するリスクの高い妊娠に対応してきましたが、より幅広く早産症例(32週以降、体重1500g以上)に対応し、地域の需要に貢献できるようになりました。

里帰り分娩について

 当院では里帰り分娩に対応しております。原則として妊娠初期~中期に分娩予約のため一度受診していただき、妊娠34週を目安に当院へ里帰りしていただきます。里帰り後は当院で妊婦健診を行います。母児の状況によりさらに高次医療施設での管理をおすすめさせていただく可能性があります。

無痛分娩について

 当院では2022年10月より、出産時の痛みを麻酔によって和らげる無痛分娩(硬膜外麻酔を併用した産痛緩和法)を行っております。産科医と麻酔専門医が綿密な連携をとりつつ、安全な無痛分娩を心がけております。原則予約制で行っておりますのでご希望の妊婦様は産婦人科外来ご診察の際に、医師にご相談ください(電話での予約は行っておりません)。
 詳細は、こちらをご参照ください。

土曜外来について

 従来からご要望をいただいていた、土曜日の妊婦健診を2023年10月より開催しています。当院はNICUとGCUを有する地域周産期センターとしての役割や地域の基幹病院としての役割もあるため、限定的な条件で行っています。
 詳細は、こちらをご参照ください。

産後入院について

 当院では出産後の母児をケアするため「産後ケア事業」として産後入院を行っております。特に所沢市、入間市、狭山市、飯能市の在住の方は地域を助成制度が受けられます。各保健センターにお問い合わせください。
 詳細は、こちらをご参照ください。

立ち合い分娩について

 当院では立ち合い分娩を行っております。立ち合いクラスの受講が必要となりますので、受診の際に産科スタッフにお声かけください。

特色・専門領域

婦人科

【特色】

 婦人科領域のがん治療を含め、子宮筋腫や卵巣のう腫、子宮脱、子宮内膜症、性感染症などの婦人科疾患を幅広く取り扱っていますが、婦人科腫瘍、細胞診精査、子宮脱・尿失禁についてはそれぞれの専門的な外来(特殊外来)を設置して専門的な診療を実施しています。


【子宮頸がん】

 広汎性子宮全摘出などの難しい手術から子宮温存をはかる円錐切除術まで進行期に応じた治療を行い、手術成績の向上を図っています。診断面では細胞診精査外来を設け、がん検診の異常が遅滞なく治療に結びつくよう配慮しています。


【子宮体がん・卵巣がん】

 子宮・両側付属器切除および骨盤リンパ節郭清を標準術式にして進行期、病理組織型に応じた治療を行い、予後のより一層の向上をめざしています。化学療法に移行する際は、医師、薬剤師、がん化学療法認定看護師らがチームとしてサポートし、不安なく治療に臨めるよう配慮しています。卵巣がんによる難治性腹水に対しては、CART(腹水灌流再静注)を行い症状の緩和、全身状態の改善に努めています。


【子宮筋腫・卵巣のう腫など】

 良性疾患ですので、事故がないようにかつ満足して退院できるように手術方法の工夫(腹腔鏡手術、子宮鏡手術、経腟的手術など)をおこない、入院日数の短期化をはかっています。筋腫核出術のように出血が多い手術の際は自己血を準備しています。


【子宮脱】

 高齢化社会のため骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤)が増えています。外来通院による保存的治療から、腟式・腹式の手術療法まであらゆる治療法に対応しています。詳しくは子宮脱・尿失禁外来の頁をご覧ください。当院の手術は主として Native Tissue Repair 法というメッシュを使用しない膣式手術を実施しています。


【生殖・内分泌】

 月経異常などに対する総合的な診療を行っております。不妊治療に関しては、基本的には自然妊娠に近い形での妊娠成立を目標としておりますが、必要に応じ排卵誘発などの治療をおこないます。なお、現時点ではART(生殖補助医療技術:体外受精・顕微受精など)は実施しておらず、必要な場合は専門病院を紹介させていただいています。

産科

【特色】

 当院は地域周産期医療センター(産科及び新生児等を備え、周産期に係わる比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設を都道府県が認定するするもの)の指定を受けており、地域に根ざす充実した周産期医療を信念に、妊婦様や赤ちゃんにとって安心安全な分娩を心掛けています。新生児を含む小児科やNICU・GCUはもちろんのこと、各種内科・外科や精神科などとも綿密な連携をとり、母児の安全と高度な周産期医療の提供を目指しています。持病をお持ちの妊婦さんや入院管理が必要な妊婦さんの近隣医療施設からの緊急紹介、緊急転院搬送(母体搬送)を積極的に受け入れるなど、埼玉西部医療圏の周産期医療の中心的役割を担っています。


【外来】

 定期的に妊婦健診をご受診いただき、母児の健康をチェックします。妊娠・分娩について理解を深めることによって、妊娠中の生活が健康に過ごし、安心して妊娠期を送り出産を迎えることができるように、分娩に携わる助産師による個別保健指導や、母親学級を開催しております。産科病棟スタッフが妊婦健診時から出産時・出産後と継続して責任を持った対応に努めております。
 また、ご夫婦協力しながら安心して新しい家族の誕生を迎える準備ができるよう、パパママクラス(両親学級)や立ち会い出産をご希望されるご夫婦には夫立ち会いクラスを行なっております。
 分娩予約・里帰り分娩も随時受け入れております。

 当院での分娩は予約制となっております。
当院でのお産をご希望の方はお早めにご予約をお済ませ下さいますようお願い致します。
現在の分娩予約状況については、分娩予約状況をご覧下さい。
【当院で分娩を予定されている方へ(分娩同意書)】


産科ハイリスク(月曜日午後 担当:中司 木曜日午前午後 担当:中司)

 高血圧・糖尿病・甲状腺疾患・血液型不適合・精神疾患などの内科合併症を有する方や胎児のリスクを有する方、その他周産期リスクの高い妊婦様を特別に診る外来です。周産期の専門医が、一般の産科外来と異なる検査を実施したり、内科専門医との併診をしたりしながら、入念な妊娠管理をしていく外来です。胎児の状態を詳細に把握するため時間をかけて超音波検査を行ったり、妊婦様にご理解いただけるよう説明するためお待たせする場合があります。


【病棟】

 入院生活が少しでも快適に過ごせるよう配慮しております。病状などにより制限がある場合もございますが、ご希望により下記からお部屋をお選びいただいております。


4人部屋(窓側) 550円 (税込)/日 室内に共同トイレ有り
個室 5,500円(税込)/日 トイレ付
個室 6,600円(税込)/日 トイレ・シャワー付
居室型分娩室(LDR) 11,000円(税込)/日 トイレ・シャワー付

お産の場合は、非課税となります。


産婦人科4人部屋 産婦人科個室

 また居室型分娩室(LDR)を2床設け、家庭的な雰囲気の中で赤ちゃんの誕生を迎えることができるよう努力しております。くわしくは、2階病棟のページをごらん下さい。


産婦人科居室型分娩室

 産後は母児同室制をとっており、ご希望に沿った母乳育児支援、育児技術習得へのサポートを細やかにさせていただいております。また、他院でご出産された方も、産後の休息や育児技術習得を目的にした「産後入院」もスタートしました。お申し込みの方は、「産後入院申込書」を記載いただき、お持ち下さい。詳しくは2階病棟のページをご覧ください。

産婦人科診療実績

 2021年(1月-12月)の診療実績について下記にまとめました。( )内は左から2020年、2019年の数字です。外来患者数は52.0(52.7、58.5)名/日、初診患者数は年間1150(1142、1226)名、紹介患者数は年間833(808、811)名、紹介率は80.3(78.3、70.4)%でした。入院患者数は20.6(20.8、20.5)名/日でした。新型コロナ感染の影響のためか、外来、入院患者数はわずかに減少していますが、初診患者数、紹介患者数、紹介率は上昇しています。紹介による比較的重症度の高い方の受診が増えているのではないかと推察されます。


【産科関連】

 2021年(1月~12月)の診療実績

分娩(妊娠12週以降) 正常 172
異常 180
母体数合計 352
内訳 単胎 340
双胎 12

 内訳

経腟分娩 226(64.2%) 頭位正常 172
吸引分娩 40
鉗子分娩 2
クリステレル 12
骨盤位 0
帝王切開 126(35.8%) 選択的帝王切開分娩 74
緊急帝王切開分娩 52

【悪性腫瘍関連】

年度 2019年度 2020年度 2021年度
子宮頚部腫瘍 広汎・準広汎子宮全摘術等 8 12 10
円錐切除術 21 13 19
子宮体部腫瘍 腹式単純子宮全摘/リンパ節郭清術 10 14 14
子宮内膜試験掻爬術 2 2 3
卵巣卵管腫瘍 腹式単純子宮全摘/付属器切除/リンパ節郭清術 5 15 9
再発・腹膜腫瘍摘出術等 1 3 1
絨毛性疾患 子宮内容除去術,子宮全摘術 6 4 2
合計 53 63 61

【良性疾患】

年度 2019年度 2020年度 2021年度
子宮腫瘍等 腹式単純子宮全摘/付属器切除術 62 77 59
腹腔鏡下子宮全摘術 5 4 4
筋腫核出、捻除術(子宮鏡下) 35
(23)
34
(19)
29
(20)
卵巣腫瘍茎捻転等 付属器切除、核出術(腹腔鏡下) 56
(32)
47
(22)
57
(31)
骨盤臓器脱等 骨盤臓器脱根治術/尿失禁手術 26 28 36
外陰・腟奇形等 中隔切除術等 0 2 3
PID・腹膜炎等 膿瘍除去、ドレナージ等 4 2 4
合計 188 194 192

【妊娠関連】

年度 2019年度 2020年度 2021年度
帝王切開術 選択的帝王切開/卵管結紮術 59 85 74
緊急帝王切開術 40 31 52
流産/胎盤遺残 子宮内容除去術 12 11 10
人工妊娠中絶術 3 6 3
子宮外妊娠 卵管切除術 3 2 10
頸管縫縮術 シロッカー手術等 4 2 5
外陰血腫 血腫除去術 0 2 1
合計 121 138 155

【産婦人科外来統計】

年度 2019年度 2020年度 2021年度
1日平均患者数(人) 58.5 52.7 52.0
初診患者数(人) 1,226 1,142 1,150
紹介患者数(人) 811 808 833
紹介率(%) 70.4 78.3 80.3

【産婦人科入院統計】

年度 2019年度 2020年度 2021年度
1日平均患者数(人) 20.5 20.8 20.6

スタッフ

氏 名 資 格
石井 賢治  

いし  けん
(責任者)
副院長

 

【資格】
 医学博士
 日本産科婦人科学会専門医・指導医
 日本臨床細胞学会専門医・指導医
 日本女性医学会女性ヘルスケア専門医・指導医
 母体保護法指定医
 インフェクションコントロールドクター(ICD)

片岡 良孝  

かたおか  よしたか
手術部長

 

【資格】
 日本産科婦人科学会専門医
 母体保護法指定医

齊藤 恵子  

さいとう  けい
産婦人科副部長

 

【資格】
 日本産科婦人科学会専門医

吉野 明博  

よし  あきひろ
医師

 

【資格】
 日本産科婦人科学会専門医

中司 匡哉  

なかつか  まさ
医師

 

【資格】
 日本産科婦人科学会専門医・指導医
 日本周産期 新生児医学会
  周産期専門医(母体・胎児)
  新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
 災害時周産期地域リエゾン
 母体保護法指定医

岩橋 秀樹  

いわはし  ひで
医師

 

【資格】
 医学博士
 日本産科婦人科学会専門医・指導医
 日本婦人科腫瘍学会専門医
 日本臨床細胞学会専門医
 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
 臨床研修指導医
 日本体育協会公認スポーツドクター(JVA委員)

平松 久和  

ひらまつ  ひさかず
非常勤医師

 

【資格】
 日本産科婦人科学会専門医

齊藤 陽子  

さいとう  よう
非常勤医師

 

【資格】
 日本産科婦人科学会専門医

山本 謙二  

やまもと  けん
非常勤医師

 

【資格】
 日本産科婦人科学会専門医