産婦人科
胎児超音波スクリーニング外来を再開しました
妊婦健診の際には主治医が胎児の発育や健康状態をチェックしていますが、胎児超音波スクリーニング外来では主として胎児に先天的な形態異常がないかを詳細に調べます。出生前に胎児の異常を知ることにより、出生直後に必要な治療を行なえる体制を整えることができます。ご家族の方も来院しやすいよう毎週土曜日に開設致しましたので、ぜひご利用下さい。検査には至適週数がありますので、妊婦健診の際に週数を確認した上で、ご予約いただくこととなります。
双胎妊娠の受け入れを再開しました
これまで双胎妊娠の受け入れを制限しておりましたが、妊娠34週以降の二絨毛膜性双胎に限り2019年5月より再開させていただきました。なお、出産時期が重なる場合等、状況により他院を紹介させていただくことがございますのでご了承下さい。
NICU再開しました
休止していたNICU(新生児集中治療室)を2018年7月より再開することができました。小児科の先生をはじめ御尽力頂いた皆様に深謝申し上げます。これまでも妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、子宮筋腫合併妊娠などのリスクの高い妊娠に対応してきましたが、妊娠32週以降(胎児推定体重1500g以上)の早産症例にも対応できるようになりました。
特色・専門領域
婦人科
婦人科領域のがん治療を含め、子宮筋腫や卵巣のう腫、子宮脱、子宮内膜症、性感染症などの婦人科疾患を幅広く取り扱っていますが、婦人科腫瘍、細胞診精査、子宮脱・尿失禁についてはそれぞれの専門的な外来(特殊外来)を設置して専門的な診療を実施しています。
【子宮頸がん】
広汎性子宮全摘出などの難しい手術から子宮温存をはかる円錐切除術まで進行期に応じた治療を行い、手術成績の向上を図っています。診断面では細胞診精査外来を設け、がん検診の異常が遅滞なく治療に結びつくよう配慮しています。
【子宮体がん・卵巣がん】
子宮・両側付属器切除および骨盤リンパ節郭清を標準術式にして進行期、病理組織型に応じた治療を行い、予後のより一層の向上をめざしています。化学療法に移行する際は、医師、薬剤師、がん化学療法認定看護師らがチームとしてサポートし、不安なく治療に臨めるよう配慮しています。卵巣がんによる難治性腹水に対しては、CART(腹水灌流再静注)を行い症状の緩和、全身状態の改善に努めています。
【子宮筋腫・卵巣のう腫など】
良性疾患ですので、事故がないようにかつ満足して退院できるように手術方法の工夫(腹腔鏡手術、子宮鏡手術、経腟的手術など)をおこない、入院日数の短期化をはかっています。筋腫核出術のように出血が多い手術の際は自己血を準備しています。
【子宮脱】
高齢化社会のため骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤)が増えています。外来通院による保存的治療から、腟式・腹式の手術療法まであらゆる治療法に対応しています。詳しくは子宮脱・尿失禁外来の頁をご覧ください。当院の手術は主として Native Tissue Repair 法というメッシュを使用しない膣式手術を実施しています。
【生殖・内分泌】
月経異常などに対する総合的な診療を行っております。不妊治療に関しては、基本的には自然妊娠に近い形での妊娠成立を目標としておりますが、必要に応じ排卵誘発などの治療をおこないます。なお、現時点ではART(生殖補助医療技術:体外受精・顕微受精など)は実施しておらず、必要な場合は専門病院を紹介させていただいています。
産科
当院は地域周産期医療センターの指定を受けており、地域に根ざした産科医療をモットーに、安全な分娩を心掛けています。小児科や他科とも連携をとり、母児の安全と高度な産科医療の提供を目指しています。近隣医療施設からの母体搬送を積極的に受け入れるなど、地域の産科医療の中心的役割を担っています。NICU再開後は他院からの切迫早産の搬送が増えています。
【外来】
定期的に妊婦健診をご受診いただき、母児の健康をチェックします。妊娠・分娩について理解を深めることによって妊娠中の生活が健康に過ごせ、安心して妊娠期を送り出産を迎えることができるよう助産師による個別保健指導や、母親学級を開催しております。病棟助産師・看護師が妊婦健診時から出産時・出産後と継続して責任を持った対応に努めております。
また、核家族化の社会情勢の中で、ご夫婦が協力しながら安心して新しい家族の誕生を迎える準備ができるよう、パパママクラス(両親学級)や立ち会い出産をご希望されるご夫婦には夫立ち会いクラスを行なっております。
分娩予約・里帰り分娩も随時受け入れております。(当院をご利用になる際には、かかりつけの先生の紹介状をお持ち下さい。紹介状のない場合は、特定療養費として7,700円(税込)ご負担いただきます。かかりつけの先生からの紹介状は、患者さんの診療情報を知る有効な情報となりますので、出来る限り お持ちくださるようお願いします。
当院での分娩は予約制となっております。
当院でのお産をご希望の方はお早めにご予約をお済ませ下さいますようお願い致します。
現在の分娩予約状況については、分娩予約状況をご覧下さい。
【当院で分娩を予定されている方へ(分娩同意書)】
【病棟】
入院生活が少しでも快適に過ごせるよう配慮しております。病状などにより制限がある場合もございますが、ご希望により下記からお部屋をお選びいただいております。
4人部屋(窓側) | 550円 (税込)/日 | 室内に共同トイレ有り |
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個室 | 5,500円(税込)/日 | トイレ付 |
個室 | 6,600円(税込)/日 | トイレ・シャワー付 |
居室型分娩室(LDR) | 11,000円(税込)/日 | トイレ・シャワー付 |
※お産の場合は、非課税となります。


産婦人科診療実績
2021年(1月-12月)の診療実績について下記にまとめました。( )内は左から2020年、2019年の数字です。外来患者数は52.0(52.7、58.5)名/日、初診患者数は年間1150(1142、1226)名、紹介患者数は年間833(808、811)名、紹介率は80.3(78.3、70.4)%でした。入院患者数は20.6(20.8、20.5)名/日でした。新型コロナ感染の影響のためか、外来、入院患者数はわずかに減少していますが、初診患者数、紹介患者数、紹介率は上昇しています。紹介による比較的重症度の高い方の受診が増えているのではないかと推察されます。
【産科関連】
2021年(1月~12月)の診療実績
分娩(妊娠12週以降) | 正常 | 172 | |
---|---|---|---|
異常 | 180 | ||
母体数合計 | 352 | ||
内訳 | 単胎 | 340 | |
双胎 | 12 |
内訳
経腟分娩 226(64.2%) | 頭位正常 | 172 |
---|---|---|
吸引分娩 | 40 | |
鉗子分娩 | 2 | |
クリステレル | 12 | |
骨盤位 | 0 | |
帝王切開 126(35.8%) | 選択的帝王切開分娩 | 74 |
緊急帝王切開分娩 | 52 |
【悪性腫瘍関連】
年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|
子宮頚部腫瘍 | 広汎・準広汎子宮全摘術等 | 8 | 12 | 10 |
円錐切除術 | 21 | 13 | 19 | |
子宮体部腫瘍 | 腹式単純子宮全摘/リンパ節郭清術 | 10 | 14 | 14 |
子宮内膜試験掻爬術 | 2 | 2 | 3 | |
卵巣卵管腫瘍 | 腹式単純子宮全摘/付属器切除/リンパ節郭清術 | 5 | 15 | 9 |
再発・腹膜腫瘍摘出術等 | 1 | 3 | 1 | |
絨毛性疾患 | 子宮内容除去術,子宮全摘術 | 6 | 4 | 2 |
合計 | 53 | 63 | 61 |
【良性疾患】
年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|
子宮腫瘍等 | 腹式単純子宮全摘/付属器切除術 | 62 | 77 | 59 |
腹腔鏡下子宮全摘術 | 5 | 4 | 4 | |
筋腫核出、捻除術(子宮鏡下) | 35 (23) |
34 (19) |
29 (20) |
|
卵巣腫瘍茎捻転等 | 付属器切除、核出術(腹腔鏡下) | 56 (32) |
47 (22) |
57 (31) |
骨盤臓器脱等 | 骨盤臓器脱根治術/尿失禁手術 | 26 | 28 | 36 |
外陰・腟奇形等 | 中隔切除術等 | 0 | 2 | 3 |
PID・腹膜炎等 | 膿瘍除去、ドレナージ等 | 4 | 2 | 4 |
合計 | 188 | 194 | 192 |
【妊娠関連】
年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|
帝王切開術 | 選択的帝王切開/卵管結紮術 | 59 | 85 | 74 |
緊急帝王切開術 | 40 | 31 | 52 | |
流産/胎盤遺残 | 子宮内容除去術 | 12 | 11 | 10 |
人工妊娠中絶術 | 3 | 6 | 3 | |
子宮外妊娠 | 卵管切除術 | 3 | 2 | 10 |
頸管縫縮術 | シロッカー手術等 | 4 | 2 | 5 |
外陰血腫 | 血腫除去術 | 0 | 2 | 1 |
合計 | 121 | 138 | 155 |
【産婦人科外来統計】
年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|
1日平均患者数(人) | 58.5 | 52.7 | 52.0 |
初診患者数(人) | 1,226 | 1,142 | 1,150 |
紹介患者数(人) | 811 | 808 | 833 |
紹介率(%) | 70.4 | 78.3 | 80.3 |
【産婦人科入院統計】
年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|
1日平均患者数(人) | 20.5 | 20.8 | 20.6 |
スタッフ
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石井 賢治 (責任者) 副院長 |
◎資格 医学博士 日本産科婦人科学会専門医・指導医 日本臨床細胞学会専門医・指導医 日本女性医学会女性ヘルスケア専門医・指導医 母体保護法指定医 インフェクションコントロールドクター(ICD) |
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片岡 良孝 産婦人科部長 |
◎資格 日本産科婦人科学会専門医 母体保護法指定医 |
齊藤 恵子 産婦人科副部長 |
◎資格 日本産科婦人科学会専門医 |
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吉野 明博 医師 |
◎資格 日本産科婦人科学会専門医 |
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中司 匡哉 医師 |
◎資格 日本産科婦人科学会専門医・指導医 日本周産期 新生児医学会 周産期専門医(母体・胎児) 新生児蘇生法「専門」コースインストラクター 災害時周産期地域リエゾン 母体保護法指定医 |
平松 久和 非常勤医師 |
◎資格 日本産科婦人科学会専門医 |
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齊藤 陽子 非常勤医師 |
◎資格 日本産科婦人科学会専門医 |
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山本 謙二 非常勤医師 |
◎資格 日本産科婦人科学会専門医 |