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ビタミンD
カルシウムの吸収を助けるビタミン    食物中のカルシウムのうち、腸から吸収されて実際に体に取り込まれるのは全体の30%ほどで、残りは便として排泄されてしまいます。
 ビタミンDは腸からのカルシウム吸収を助ける働きがあり、骨粗鬆症の予防に不可欠なビタミンです。
 1日に必要なビタミンDの量は5.5μg(*)ですが、胃腸の弱い方、胃や腸の手術をした方、高齢の方は腸の吸収力が低下しているので、ビタミンDを多めにとらなければなりません。

(*)「日本人の食事摂取基準(2010年版)」
日本的食事はビタミンDの摂取に優れている    ビタミンDは魚、きのこ類、鶏卵に含まれ、肉や野菜にはほとんど含まれません。

 国立西埼玉中央病院(**)の骨粗鬆症ドックに入院した550人あまりの食事内容の調査では、40歳以上のすべての年代でビタミンDの必要量を満たしていました。さらに、高齢者ほどタンパク質やカロリーの摂取量が低くなるにも関わらず、ビタミンDの摂取量はむしろ高くなる傾向があり、その主因は魚をよく食べているからでした。
 週のうち半数を魚料理にして、きのこ類や卵を加えれば、十分なビタミンDを摂取することができます。

(**)現・国立病院機構 西埼玉中央病院
ビタミンDが豊富な食品    

 ほとんどのの肉には100gあたり1~2.5μgあるいはそれ以上のビタミンDが含まれています。
 100gほどの魚の切り身を食べれば、それだけで1日に必要なビタミンDの半分以上を摂取したことになります。ビタミンDが豊富なサケならば、一口でも十分な量です。
 きのこ類

 ほとんどのきのこ類には100gあたり1~2.5μgほどのビタミンDが含まれています。(なめこは微量)
 とくに豊富なのは、干しきくらげ(100g中425μg)です。
 鶏卵

 鶏卵1個(50g)には 約1.5μg のビタミンDが含まれています。
 ビタミンDは卵黄にあります。
ビタミンDをほとんど含まない食品    これらの食品にはビタミンDはほとんど含まれていません。

   牛乳、乳製品
   牛肉、豚肉、鶏肉、牛・豚・鶏のレバー、その他の内臓
   貝類、エビ、カニ、イカ、タコ
   野菜、芋類、豆類、果物、穀類、海草類

 
皮膚でできるビタミンDと日光浴    皮膚の組織にはビタミンDの元になるプロビタミンDという物質が多量にあり、日光の紫外線にあたるとビタミンDに変化します。
 この皮膚由来のビタミンDと、食物として摂取されるビタミンDはほぼ半々と言われています。
 家の中にこもりがちな高齢者では、皮膚由来のビタミンDが不足します。1日30分程度でも日に当たるようにしましょう。直射日光である必要はなく、木漏れ日ほどの日差し、レースのカーテン越しの光でも十分です。