ビタミンKと納豆このページを印刷する - ビタミンKと納豆

ビタミンK と 納豆


 ビタミンKは血液凝固に関わるビタミンですが、近年骨の代謝にも関係し、骨粗鬆症の予防に効果があることが分かり注目されるようになりました。
 通常の食事をとっていれば、新生児や乳児以外でビタミンKの不足のために血液凝固に異常が起こることはほとんどありませんが、骨粗鬆症を予防するためにはさらに多くのビタミンKを摂取する必要があります。

 納豆は、納豆菌が腸内でビタミンKを産生するため、含有量以上の多くのビタミンKをとることができます。
 納豆の一人あたりの消費量が多い県ほど、大腿骨頸部骨折(股関節近くの骨折)の頻度が低い傾向がある、という調査報告があります。
 また、日本人のカルシウム摂取量が欧米人よりはるかに少ないにもかかわらず、大腿骨頸部骨折の発生頻度は日本人の方が少なく、体型や生活習慣の違いとともに、ビタミンKの摂取量(納豆の摂取量)がその理由の一つとも考えられています。

 ビタミンKは植物の葉緑素にも含まれ、ほうれん草、春菊、ブロッコリーなどの色の濃い緑色野菜や、海草類、クロロフィル粒からも摂取することができます。


ビタミンKを豊富に含む食品
食品名 常用量 正味g
ビタミンK含有量(μg)
納豆   1包 50 300 (+ 腸内でも産生
          
あしたば  浸し小鉢1杯分 80  400
モロヘイヤ  浸し小鉢1杯分 60  384
ほうれん草  浸し小鉢1杯分 80  216
からしな  浸し小鉢1杯分 80  208
なばな  浸し小鉢1杯分 80  200
春菊  浸し小鉢1杯分 80  200
小松菜  浸し小鉢1杯分 80  168
かぶ・葉  小1皿分  40  136
ブロッコリー 浸し小鉢1杯分 80  128
大根・葉  小1皿分  40  108
にら  浸し小鉢1杯分 60  108
青梗菜  浸し小鉢1杯分 80  67
高菜漬  小1皿分  30  66
野沢菜漬  小1皿分  30  60
サニーレタス -  30  48
芽キャベツ  3個  30  45


*注意*

 ビタミンKは抗凝固剤のワーファリンの働きを打ち消す作用があるため、ワーファリン服用中の方は、納豆を食べることを控えてください
 バファリンやパナルジンも血液の凝固を抑える薬ですが、ワーファリンとは作用が異なるので心配ありません。